
ランドセルの色選びは、今や“定番”から“個性”へと大きくシフトしています。10年前までは「男の子=黒」「女の子=赤」といったシンプルな構図が主流でしたが、今では100色以上のバリエーションがあるブランドも存在し、選択肢は劇的に広がっています。
この記事では、ランドセルのカラーがどのように進化してきたのかを、「男の子」と「女の子」のトレンドに分けて詳しく解説。2026年度の最新トレンドや、後悔しないための色選びのポイントも交えてご紹介します。
この記事の目次
ランドセルのカラーはここまで変わった!過去10年の変遷
2015年〜2020年:定番から脱却のきざし
この時期、ランドセルの色はまだ定番が主流でした。男の子は「黒」「濃紺」、女の子は「赤」「ピンク」が圧倒的多数を占めていました。ただし、一部ではデザインや素材にこだわったモデルも登場し、カラーステッチやアクセントパーツで差別化を図る傾向も見られるようになってきました。
また、ランドセルに「反射材」や「軽量ボディ」が搭載されるようになり、カラーよりも機能性が重視されていたのもこの時期の特徴です。
2021年〜2025年:カラー選びが“自己表現”の時代に
2020年を境に、ランドセルのカラー市場は劇的な進化を遂げました。背景には、以下のような社会的・文化的な変化があります:
- 子ども自身がSNSやYouTubeで情報を得て、色やデザインを自分で選ぶ時代に
- 親世代の価値観の変化。「目立たない色より、好きな色を持たせたい」という声が増加
- メーカー側も、セミオーダーや100色展開など、選べる自由度を高めた
この時期には、男の子でも「ダークグリーン」「シルバー」「メタリックブルー」、女の子では「ラベンダー」「スモーキーパープル」「アイスブルー」などが人気となり、定番色の牙城が崩れ始めました。
男の子のランドセル人気カラーの変遷
かつては「黒一択」だった男の子のランドセルも、今では多様なカラーが揃っています。以下のようなトレンド変化が見られました。
2010年代前半:黒一強、しかし差し色で個性を出す
2010年代の前半は「黒=男子のランドセル」のイメージが非常に強く、ほぼ一択状態でした。ただし、サイドにブルーのステッチが入ったモデルや、メタリック調の素材でほんのり変化を加えた製品が人気を集めていました。
2015年以降:ネイビーやブルーの躍進
黒に代わる“落ち着いた個性”としてネイビーが登場し、ブルーやダークグリーンなどの選択肢も広がりました。「暗すぎず、目立ちすぎない」というちょうど良いバランスが評価され、今でもトップ人気を保っています。
2020年代:くすみカラーとメタリックの融合
男の子でも「パールネイビー」「メタリックグレー」「ツートンカラー」などの個性的な色を選ぶケースが急増。特に“スポーティ”かつ“洗練された印象”を与える色合いが支持されており、「高学年になってもカッコよく見える」ことが購入の決め手になっています。
2026年最新:ネイビー+アクセントカラーが王道に
現在の男の子向け人気トップは以下の通りです:
- ネイビー:落ち着きがあり、制服にも合う
- ダークグリーン:個性的ながら上品
- ブラック×ブルーアクセント:定番と個性の絶妙なバランス
女の子のランドセル人気カラーの変遷
一方で、女の子のランドセルは男の子よりも早く多様化が進んでいました。特に「かわいさ」「柔らかさ」「華やかさ」が重視されてきた流れの中で、パステル系やニュアンスカラーの躍進が目立ちます。
2010年代前半:赤・ピンクの2強時代
赤とピンクが主流で、パール加工や刺繍入りの装飾で“プリンセス感”を演出したモデルが人気でした。ランドセルのフラップにリボンやハートのデザインが入るなど、女の子の夢を詰め込んだようなモデルが多数販売されていました。
2015年以降:パステルカラーの台頭
ラベンダーやミントグリーンといった「明るく優しい色合い」が登場。中でもラベンダーは瞬く間に人気No.1に。親世代から見ても「かわいくて写真映えする」ことが評価され、選ばれるケースが増加しました。
2020年代:くすみ系やグレージュが支持される理由
「高学年になっても違和感のない色」「制服にも合う色」を重視する家庭が増え、パステルからさらに進化した“くすみカラー”が人気に。代表的な色としては、スモーキーピンク、グレージュ、モーブ、アイスブルーなどがあります。
2026年最新:ラベンダーの強さは健在、落ち着いた色味が主流に
- ラベンダー:不動の人気。柔らかく上品な印象が支持されている
- アイスブルー:爽やかさとおしゃれ感の両立
- スモーキーピンク:高学年でも浮かない色味として注目
ユニセックス・個性派カラーの拡大
ここ数年で増えているのが、性別にとらわれないカラー展開です。「ベージュ」「キャメル」「グレー」「ネイビー」などは、男の子・女の子両方から選ばれる中性的なカラーとして人気があります。
また、セミオーダー対応モデルの登場で、「兄弟でかぶらない色」「自分だけの色にしたい」というニーズにも応えられるようになりました。
色選びで後悔しないためのポイント5選
- 高学年になっても似合うか
かわいいだけでなく、成長後の見た目もイメージして選ぶ - 安全性を確保できるか
夜道でも目立つ色や、反射材付きモデルの検討を - 通学服・傘などとの色バランス
服装や通学用品とコーディネートしやすい色が◎ - お子さん自身が本当に気に入っているか
最後は本人の「好き!」を尊重する - 実店舗や展示会で実物を確認
ネットの画像と実際の色味は違うことも多いため注意
まとめ|ランドセルの色は「個性」と「未来」をつなぐ選択
ランドセルのカラーは、過去10年間で驚くほど進化しました。男の子は「黒」から「ネイビー・グリーン」へ、女の子は「赤・ピンク」から「ラベンダー・くすみカラー」へと変遷しています。そこには、家庭の価値観や子ども自身の個性の尊重といった、社会の変化が色濃く反映されています。
今やランドセルは、単なる通学道具ではなく、“自分らしさ”を表現するアイテムのひとつです。これからランドセルを選ぶご家庭は、過去の流行と今のトレンドをしっかり押さえたうえで、最も大切な「お子さん自身の気持ち」に寄り添った選択を心がけましょう。